原子力規制委員会は、2021年3月に「東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」の調査結果を「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間とりまとめ」(以下、「中間とりまとめ」という。)として公表しております。これを受け、ATENAは「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析から得られた知見への対応」をテーマとして選定し(2021年12月)、得られた知見をもとに産業界として自主的に対策を検討し、実施することとしております。
【ATENAの取組状況】
・2022年2月28日 原子力規制委員会「第28回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」において、中間とりまとめに対するATENAの取り組みについて説明。
(1) 水素防護対策
・2022年7月28日 原子力規制委員会「第2回東京電力福島第一原子力発電所事故に関する知見の規制への取り入れに関する作業チーム事業者意見聴取会合」において、これまでの取り組みや水素防護対策に係る検討の進め方及び工程について説明。
・2022年11月7日 水素防護対策に係るアクションプランを産業界として自主的に作成・公表。
・2022年12月27日 原子力規制委員会 「第3回東京電力福島第一原子力発電所事故に関する知見の規制への取り入れに関する作業チーム事業者意見聴取会合」において、アクションプランとその状況を報告。
・2023年6月8日 短期的な検討として進めてきた既存設備を活用することを前提としたアクシデントマネジメントガイド改定ガイドラインの作成において、更なる確認が必要となったことから、ステアリング会議(6月8日)においてアクションプランの見直しを了承。
・2023年6月13日 ステアリング会議(6月8日)において、技術レポート「ATENA 23-S01 (Rev.0)BWRの原子炉建屋の水素防護対策に係るAMG改定等ガイドライン」の発行及び安全対策の実施について決議。6月13日に技術レポートを発行。
・2023年6月20日 事業者に対し、本技術レポートに示す安全対策の実施を要求
・2023年6月21日 原子力規制委員会 「第4回東京電力福島第一原子力発電所事故に関する知見の規制への取り入れに関する作業チーム事業者意見聴取会合」において、技術レポート「ATENA 23-S01 (Rev.0)BWRの原子炉建屋の水素防護対策に係るAMG改定等ガイドライン」の発行等のアクションプランに基づく短期的な検討の成果を報告。
・2023年9月13日 事業者が実施する安全対策の実施計画を取りまとめ。
・2023年9月21日 事業者が実施する安全対策の実施計画を更新。
・2024年3月29日 安全対策の実施状況を更新。
・2024年6月7日 アクションプランの見直しを公表。
・2024年7月30日 安全対策の実施状況を更新。
・2024年10月31日 安全対策の実施状況を更新。
・2024年10月31日 中長期的な検討「水素滞留・拡散評価挙動の評価手法構築・評価」(2023~2024年度で電力中央研究所にて実施)の2023年度成果を中間報告。
・2025年1月22日 安全対策の実施状況を更新。
ATENAは、今後も新たな知見や検討進捗等を反映してアクションプランを適宜見直していくとともに、アクションプランに示した各項目の実施状況について、適宜公表します。
(2) 原子炉補機冷却系統の汚染に関する調査・分析から得られた知見対応
原子力規制委員会からの指摘・要望 | 指摘・要望に対するATENAからの報告 |
・2023年6月14日 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所1号炉の原子炉補機冷却系統の汚染に関する調査・分析から得られた知見について、規制上の取扱いに係る検討を進めることとしました。 ・2023年6月21日 原子力規制委員会 「第4回東京電力福島第一原子力発電所事故に関する知見の規制への取り入れに関する作業チーム事業者意見聴取会合」において、廃炉プラント等を除くBWR、PWR全プラントを対象に、格納容器下部の配管の配置や隔離弁の詳細な設計、新規制基準対応の中でBWR事業者が講じた当該知見に関する対策等、プラント毎の実態に係る情報を整理し提供するよう要望されました。 |
・2023年11月1日 原子力規制委員会 「第5回東京電力福島第一原子力発電所事故に関する知見の規制への取り入れに関する作業チーム事業者意見聴取会合」において、「東京電力福島第一原子力発電所1号炉の原子炉補機冷却系統の汚染に関する調査・分析から得られた知見に関する各プラントの調査結果」について報告。 |
・2024年1月24日 原子力規制委員会は、事故時の隔離弁閉止操作が、今回の知見を考慮しても確実になされることを確認する必要があることからBWR事業者の事故時操作手順を意見聴取会合にて確認することとしました。 | ・2024年3月13日 原子力規制委員会 「第6回東京電力福島第一原子力発電所事故に関する知見の規制への取り入れに関する作業チーム事業者意見聴取会合」において、「BWR事業者の SBO 時における格納容器隔離弁の閉止操作手順」について報告。 |
ATENAは、今後とも本知見が反映された各BWR事業者のSBO 時における格納容器隔離弁の閉止操作手順を共有する取り組みを継続していく。