技術レポート

ATENA 22-ME01(Rev.0)電磁両立性(EMC)に係る原子力発電所における今後の対応方針

2023年3月31日

ポジションペーパー

ATENAは、ポジションペーパー「ATENA 22ME01Rev.0)電磁両立性(EMC)に係る原子力発電所における今後の対応方針」を発行しました。

内容等について、ご意見等がある場合は、こちらからお願いいたします。

【概要】

 EMCとはElectroMagnetic Compatibility の略であり、日本語では電磁両立性と呼ばれています。その定義は、JIS C 60050-161において「装置又はシステムの存在する環境において、許容できないような電磁妨害をいかなるものに対しても与えず、かつ、その電磁的事象に対して満足に機能するための装置又はシステムの能力」とされています。もともとは一般の無線通信の障害が発端となって各種EMC規制・規格が制定されてきましたが、世の中でデジタル技術を用いた機器が普及してくると、受信機への障害だけでなくデジタル機器自身への影響についての議論も開始されました。

 国内原子力発電所では、従来から設計・運用にて電磁的事象への対策を講じており、様々な原因により発生する電磁的事象がプラントの安全性の低下につながることがないよう配慮していましたが、海外の原子力発電所の規制・規格動向としては、2000年代に入り、電磁両立性(EMC)に係る一般産業向け標準規格を参照したRG1.180IEC 62003等のガイド、規制、規格が整備されています。

 ATENAとしてはこれらの状況を鑑み、一般産業向け標準規格の原子力発電所への適用性をまとめた国際規格であるIEC 62003(2020)1を比較対象に、現状の国内での試験方法や試験レベルを調査し、国内原子力発電所での電磁的事象への対応について、国内原子力産業界の見解と今後の対応方針をまとめました。

1IEC 62003 Edition 2.0 2020-03 Nuclear power plants - Instrumentation, control and electrical power systems - Requirements for electromagnetic compatibility testing

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