お知らせ

ATENAフォーラム2025の開催結果

2025年4月02日

イベント

 ATENAは、今回で7回目となる『ATENAフォーラム2025』を会場での参加とオンライン参加のハイブリッド方式で2025年2月13日(木)に開催しました。

 当日は、ATENA会員である原子力事業者、メーカ、原子力関係団体の方々に加え、原子力規制委員会や経済産業省などの関係行政機関、原子力立地自治体、報道機関各社、一般公募などの方々に、会場またはオンラインで約450名のご参加をいただきました。

 ATENAとして、広く皆さまにフォーラムの様子をご覧いただけるよう、本ウェブサイトに動画と発表資料を掲載いたしました。

■日時: 2025年2月13日(木) 16:00 ~ 17:50

■開催形式: 会場およびZOOM Webinar を利用したハイブリッド開催

■プログラム

(画像をクリックすると拡大します)

1.開会挨拶(魚住 弘人 ATENA理事長)

『ATENAフォーラム2025』の開会にあたり、魚住理事長より挨拶をいたしました。

(5分54秒)

2.来賓挨拶(杉山 智之 原子力規制委員会 委員)

 杉山委員より、今年6月から施行される長期施設管理計画について、「審査はおおむね順調に進んでいる。長期的には定期安全レビューや安全性向上評価などの他の制度との整理を行っていく必要がある」とのコメントがありました。また、次期中期目標において事業者との関係強化を盛り込んだ項目について紹介があり、その一例として「オンラインメンテナンスの現場実証についての事業者からの提案を規制委員会として了承した。この取り組みが大きな一歩となることを望んでいる」とのコメントがありました。ATENAに対しては、「事業者やメーカーを代表して、ATENAが規制委員会のカウンターパートとなることを強く希望する。」と述べられました。

(10分28秒)

3.基調講演(ウィリアム・D・マグウッドⅣ  OECD/NEA 事務局長)

 ウィリアム・D・マグウッドⅣ事務局長より、「次世代の原子力エネルギー:革新と進歩、課題」と題して基調講演いただき、「AIや先進的な製造技術、デジタルツインといった技術を十分なスピードで導入することができれば、我々の産業にとってもプラスになる」、また新技術導入に向けては、「今後10年間で考えるのではなく、今、動かなくてはならない」「そのためには、ATENAが調整役として不可欠である」といった重要な指摘をいただきました。

(18分13秒)

4.パネルディスカッション

テーマ:
原子力における新技術導入の促進のために
モデレータ:
遠藤 典子   早稲田大学 研究院 教授
パネリスト:
神﨑 寛    三菱重工業株式会社 原子力セグメント長代理
斉藤 拓巳   東京大学 大学院 工学系研究科原子力専攻 教授
杉山 智之   原子力規制委員会 委員
福田 俊彦   東京電力ホールディングス株式会社 執行役副社長
        原子力・立地本部長CNO
ウィリアム・D・マグウッドⅣ OECD/NEA 事務局長
富岡 義博   ATENA理事

 遠藤典子氏による進行のもと、原子力における新技術の導入を促進するために、以下の論点について、ディスカッションが行われました。

  1. 新技術導入のメリットと克服すべき課題
  2. 課題解決に向けた各ステークホルダーの役割

 パネリストの皆さまから、ATENAおよび規制当局への期待を含めて、以下のように多くの示唆や助言をいただきました。

(1時間7分47秒)

 『様々な新技術があるが、ハーモナイゼーションを実現していくということは出来る。国別ではスタンダードも規制も異なり、成功は難しくなるため、規制側はグローバルな調和を図る必要がある。』(ウィリアム・D・マグウッドⅣ氏)

 『規制は新技術の導入を促す立場。ただし、国民に対して安全を確保していることを担保する責任がある。これまでのケースは、事業者の説明が足りない、というものがほとんど。公衆に対して十分な説明を求める態度はこれからも変わらない。そのもとで、新技術の導入は進めて頂きたい。』(杉山智之氏)

 『ファイナンシャルリスクを如何に下げるかは、政府推進側の仕組み、制度と合わせて検討が必要。規制予見性については、早い段階から規制がどうあるべきかを考えつつ、情報共有をしながら進めていきたい。』(福田俊彦氏)

 『新技術導入にあたり、説明が不足していると認められないことになるため、NRAのカウンターパートであるATENAのもとで、情報共有のレベルを高めていきたい。』(神﨑寛氏)

 『産業界は規制に対して遠慮があると感じる。本当に安全な技術であれば、導入しないのは怠慢だという見方もできる。積極的に勝ち取っていくという姿勢が本来あるべき。また、新技術を導入することは、持続的に社会を繋げていく未来への投資になる。規制の側でも積極的に新技術を取り入れる姿勢があるべき。技術に関するデータは共通の資産であり、双方の接点になるとよい。』(斉藤拓巳氏)

 『確証していないものを使うと安全が損なわれることになるが、考えすぎて消極的になるとかえって安全性、原子力の価値を損なうことになる。良いものは使っていくという積極的姿勢が必要。それを実現するためには、産・官・学とコミュニケーションを取り、協力していくことが大事。』(富岡義博氏)

 最後に、遠藤典子氏より、本日のパネルディスカッションにおける議論を振り返り、『ハーモナイゼーションを媒介することがATENAの重要なミッション。今後ますます、力を発揮して欲しい。新技術は安全性の向上、経済性の向上によって、国民を豊かにすることに大きく貢献するということを忘れずに、ハーモナイゼーションが大きな輪になっていくことを期待したい。』との言葉をいただき、パネルディスカッションは締めくくられました。

5.閉会挨拶(佐藤 拓 ATENA理事)

『ATENAフォーラム2025』閉会にあたり、佐藤理事より挨拶をいたしました。

(4分46秒)

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